
不動産コラム#79【今の家計で大丈夫?金利上昇時の住宅ローンと住み替え戦略】

「住宅ローンの金利が上がったら、毎月の返済はいくら増える?」
「変動金利のままで大丈夫?」
「今の家を売って、住宅ローンを見直した方がいい?」
最近、このような住宅ローンや住み替えに関するご相談が増えています。
住宅ローンは30年、35年、40年と長期間にわたって返済していくものです。その間には、金利だけでなく、収入や教育費、家族構成、働き方なども変化します。
大切なのは、「金利が上がったから慌てて動く」のではなく、今の家計と住宅ローン、そして現在の自宅の価値を一度整理してみることです。
今回は、金利上昇時に確認しておきたい住宅ローンのポイントと、住み替えを含めた今後の住まい方について解説します。
1.住宅ローンの金利が上がるとどうなる?
住宅ローンには、大きく分けて「変動金利」と「固定金利」があります。
全期間固定金利で借りている場合、基本的には市場金利が上昇しても、契約した金利や返済額は変わりません。
一方、変動金利の場合は、市場金利などの動向によって適用金利が見直されるため、将来的に返済負担が増える可能性があります。
ここで注意したいのが、
「毎月の返済額がすぐに増えていないから大丈夫」とは限らないという点です。
金利が上昇すると、同じ返済額でも利息として支払う割合が増え、元金の減り方が遅くなることがあります。
そのため、「月々いくら払っているか」だけではなく、現在の適用金利・住宅ローン残高・残りの返済期間まで確認することが重要です。
2.金利が1%上がると返済額はどのくらい変わる?
例えば、
・借入額:4,000万円
・返済期間:35年
・元利均等返済
・ボーナス返済なし
として単純計算してみます。
金利0.7%の場合、毎月返済額は約10.7万円です。
これが、
金利1.2% → 約11.7万円
金利1.7% → 約12.6万円
金利2.2% → 約13.7万円
となります。
0.7%から1.7%へ1%上昇すると、単純計算では毎月約1.9万円、年間では約23万円の負担増です。
もちろん実際の住宅ローンでは、借入時期や残高、金利の見直し方法などによって異なります。
しかし、住宅ローンだけで毎月1~2万円の支出が増えると、教育費や車のローン、光熱費、保険料などを含めた家計全体への影響は決して小さくありません。
3.変動金利の「5年ルール・125%ルール」とは?
変動金利の住宅ローンでは、「5年ルール」「125%ルール」という仕組みが採用されている場合があります。
5年ルール
金利が上昇しても、毎月の返済額は5年間変更しないという仕組みです。
ただし、返済額が変わらなくても、返済額の中に占める利息の割合が増え、元金の返済が遅くなる場合があります。
125%ルール
5年後に返済額を見直す際も、新しい返済額をそれまでの返済額の125%以内に抑える仕組みです。
例えば毎月10万円を返済していた場合、見直し後の返済額は最大12万5,000円まで、という考え方です。
ただし、これらは金利上昇による負担そのものをなくしてくれる制度ではありません。
返済負担の増加を先送りしている側面があるため、金利上昇時には住宅ローン残高にも注意が必要です。
また、すべての金融機関・住宅ローン商品に「5年ルール」「125%ルール」があるわけではありません。ご自身の契約内容を確認しておきましょう。
4.まず確認したい「今の家計で払える金額」
金利が上がったときに、最初に考えたいのは「金利が今後どうなるか」ではありません。
現在の家計が、どの程度の住宅ローン返済まで耐えられるかです。
例えば現在の住宅ローン返済が月10万円なら、
「12万円になっても問題ないのか」
「15万円になると教育費との両立が難しいのか」
を考えてみましょう。
特に、
・これから子どもの教育費が増える
・車の購入や買い替えを予定している
・共働きから一馬力になる可能性がある
・定年までの期間が短くなってきた
・住宅の修繕費が増えてきた
といったご家庭では、住宅ローンだけで判断せず、今後10年程度の家計を見ながら考えることが大切です。
5.繰上返済・借り換え・固定金利への変更を考える
住宅ローンの負担が気になる場合、すぐに自宅を売却する必要があるわけではありません。
まず検討できるのが、
①繰上返済
②住宅ローンの借り換え
③固定金利への変更
です。
手元資金に余裕がある場合は、繰上返済によって元金を減らし、将来の利息負担を軽減できる可能性があります。
一方、預貯金の大部分を繰上返済に使ってしまうと、急な出費に対応できなくなる可能性があります。
また、借り換えについても、新しい住宅ローンの金利だけを見るのではなく、事務手数料や登記費用などを含めて判断する必要があります。
「金利が上がりそうだから固定金利にする」という場合も同様です。
固定金利には将来の返済額を確定できるメリットがありますが、変動金利より金利が高く設定されることもあるため、家計や今後の住まい方に合わせて検討しましょう。
6.「住み替え」も住宅ローン対策のひとつ
もうひとつの選択肢が住み替えです。
例えば、
「子どもが独立して部屋が余っている」
「戸建の維持管理が負担になってきた」
「駅から遠く、車が2台必要」
「住宅ローンの返済額を抑えたい」
「もっとコンパクトな家で十分になった」
という場合、現在の家を売却して住宅ローンを完済し、より価格を抑えた住宅へ住み替えることで、毎月の固定費を減らせる可能性があります。
住宅ローンの金利だけを見直すのではなく、**「そもそも今の家が、これからの暮らしに合っているのか?」**を考えてみることも大切です。
7.住み替えで最初に確認したい「自宅の現在価値」
住み替えを考える場合、最初に確認したいのが現在の住宅ローン残高と、自宅の売却可能価格です。
例えば、
住宅ローン残高 2,000万円
自宅の想定売却価格 3,000万円
であれば、売却に必要な諸費用を差し引いても、次の住宅購入に充てられる資金が残る可能性があります。
反対に、
住宅ローン残高 3,000万円
自宅の想定売却価格 2,500万円
の場合、売却代金だけでは住宅ローンを完済できない可能性があります。
つまり、
「今の家がいくらで売れるのか」
が分からなければ、具体的な住み替え予算も決めにくいのです。
住み替えを検討するときは、
①住宅ローン残高を確認する
②現在の自宅を査定する
③売却後にいくら手元に残るか計算する
④次の住宅に使える予算を決める
という順番で整理すると分かりやすくなります。
8.売却先行と購入先行、どちらがいい?
住み替えには、大きく分けて「売却先行」と「購入先行」があります。
売却先行
現在の家を先に売却してから、新居を購入する方法です。
売却金額が確定してから次の住宅を探せるため、資金計画を立てやすいのがメリットです。
特に住宅ローン残高が多い場合や、資金面を優先したい場合に向いています。
一方、新居が決まる前に現在の家を引き渡す場合、一時的に賃貸住宅などへ仮住まいする必要が生じることがあります。
・購入先行
新しい住宅を購入してから、現在の家を売却する方法です。
気に入った物件を先に確保でき、引っ越しも比較的スムーズです。
ただし、現在の住宅ローンが残っている状態で新しい住宅ローンを組む場合、金融機関の審査や資金計画をより慎重に考える必要があります。
どちらが正解ということではなく、住宅ローン残高、預貯金、収入、自宅の売却しやすさなどによって適した方法は変わります。
9.金利上昇時こそ「売る・買う」をセットで考える
住み替えでは、
「金利が高くなったから、今は買わない方がいい」
「もっと自宅価格が上がるまで売らない方がいい」
と一方向だけで考えてしまいがちです。
しかし、住み替えは**「売却」と「購入」をセットで考えることが重要**です。
自宅を高く売却できても、購入する住宅も高くなっていれば、住み替え全体ではメリットが小さいことがあります。
反対に、住宅価格や金利などの条件が多少変化していても、自宅の売却によって十分な資金を確保できれば、希望する住み替えが実現できるケースもあります。
そのため、
「今売ったらいくらになるのか」
「住宅ローンはいくら残っているのか」
「売却後にいくら残るのか」
「次の住宅ローンはいくらまでなら無理なく払えるのか」
をまとめて計算することが大切です。
10.まとめ
住宅ローンの金利が上昇すると、不安を感じる方も多いと思います。
しかし、重要なのは「金利が上がった」というニュースだけで判断することではありません。
まずは、
・現在の住宅ローン残高
・現在の適用金利
・金利が上昇した場合の返済額
・毎月の収支
・今後必要になる教育費などの支出
・現在の自宅の売却価格
を確認してみましょう。
そのうえで、
「今の住宅ローンを継続する」
「繰上返済する」
「借り換える」
「固定金利を検討する」
「自宅を売却して住み替える」
など、ご家庭に合った選択肢を比較することが大切です。
リヴ不動産販売では、長岡京市・向日市・大山崎町を中心に、不動産の売却・購入だけでなく、「今の家を売ったらいくら残る?」「住宅ローンが残っていても住み替えできる?」といった資金計画を含めた住み替えのご相談も承っております。
「今すぐ売るつもりではないけれど、今の家の価値を知っておきたい」
という段階でも大丈夫です。
現在の住宅ローン残高と自宅の査定価格を整理することで、これからの選択肢が見えやすくなります。
住宅ローンや住み替えについて気になることがございましたら、ぜひお気軽にリヴ不動産販売までご相談ください。
